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雑食レビュー

そこらへんにいる大学生です

ビリー・ミリガンと23の棺

最初に述べておきたいことは、私が純粋にこの話をノンフィクションとして捉えながら"物語を楽しんだ"ということだ。

私はビリー・ミリガンのような人物を医学的に見る目は一切養っていないので、根拠のない意見は控える。


ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)

ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)

ビリー・ミリガンと23の棺〈下〉 (ダニエル・キイス文庫)

ビリー・ミリガンと23の棺〈下〉 (ダニエル・キイス文庫)


ザ!世界仰天ニュースなどで数年前に放送されたので、知っている人も少なくはないと思う。

ビリー・ミリガンは当時、『多重人格者』という判断をされ、初めて"精神以上により無罪"となった人物だ。

しかし、彼のそこからの人生は死と隣り合わせであった。




彼の中には、アーサー、レイゲン、アランを初めとした24人の人格が存在している。

1人1人、言語(訛りも違う)や性別、性格、特技などが異なっており、彼の頭の中の"スポット"と呼ばれる場所に入った人格が現れる。

そして記憶は共有されておらず、人格が変わる度に「自分がどこで、何をしていたか」まったくわからない。

物語は彼が、体罰で電気ショックさえも行う州立ライマ精神障害犯罪者病院へと移送された所から始まる。




私は、アランを中心とした人格達がそれぞれの専門分野に合わせて、ライマでどうにか命の危機を回避し、そこから出ようと戦う姿に心打たれた。

最終的には病院にいる"患者"たちが戦争を起こそうとするのだが、本当に一本の映画を見ているようだった。


小さな頃から生き抜こうと必死になっていた彼が、それを諦めた先に見えたものは何であったのか。



自由を手に入れるために、生き抜くために。

24人の人格たちがひたすら奮闘する物語が、ビリー・ミリガンと23の棺だ。


ぜひ、手に汗握りながらページをめくってほしい。